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ある業者に別れさせ工作を依頼したのですが、工作をしているのかわかりません。工作をしているか調査をする事はできますか?

2009年7月20日 月曜日

数年前から同様のご相談はお受けしています。

調査が出来るか、出来ないかの問題以前に「別れさせ」工作には大きな問題があります。

そもそも男女の恋愛や婚姻などを他の力で工作する事は、社会的に許容できない範囲であろうと一般的には考察されるでしょう。

こうした「別れさせ屋」をめぐる問題は、争われているケースもあり、それらのケースを参考にすると、「不法原因給付」であると考えられる場合が多いようです。

不法原因給付とは、民法708条に規定されています。

民法709条「不法原因給付」

不法な原因のために給付した者は、その給付したものの返還を請求することができない。ただし、不法な原因が受益者についてのみ存在したときは、この限りではない。

不法な原因とは、道徳や倫理上の問題、公の秩序や善良な風俗に反するというように表現されています。恋愛関係にある男女や夫婦である男女を別れさせる目的を持って、故意に工作し、また、それら行為を金銭によって依頼をしたという行為は、社会的に許容される範囲でしょうか?

社会的な許容範囲を逸脱していると考えられる要素は多くあると誰も感じることでしょう。

続いての問題は、「別れる率」の問題です。例えば、日本の夫婦の離婚はおおよそ2組に1組の割合で離婚します。それが恋人関係ともなれば、別れる率はもう少し高いかもしれません。2組に1組が別れると仮定すれば、およそ50%の確立でカップルは別れるわけです。

つまり、「別れさせ屋」は工作などをしなくても、放っておけば、およそ50%の確立で外形上の別れを確認する事ができるのです。確率論的には、単純な論理ですが、放っておいても別れる可能性はある事は誰でも理解できるはずです。

つまり、工作をする、しないに関わらず、男女が別れる事が目的であるのなら、その目的は他力によるものでなくても形成される自然的な要素があるわけですから、高額な費用を支払って依頼する必要性が、そもそもあったのか疑問が生じるところです。

では、工作をしているかどうか調査をする場合についてですが、もしも調査をプランニングするのであれば、工作の対象となった人物の行動を追跡し、その関係者や接触者を徹底的に洗い出した上で、前述の関係者や接触者の人物調査に移行するという方法が正攻法でしょう。

しかし、こうした調査を行ったとしても、相手側にその期間は工作活動は行っていないと言われてしまえば、それまでの事なのです。

また、調査人員も多人数配備する必要がありますし、期間もかかります。すると、どんなにリーズナブルに調査をプランニングしようとしても、高額な費用がかかると予測できるわけです。

(探偵の費用を考える時、ご自身の給与や会社での売上、ご両親などの給与をよく考えてみてください。もしくは日本人の平均給与と会社員一人あたりの平均的な経済活動による収益を考えてみてください。特に行動調査の場合は、探偵は数個の行動調査を掛け持つ事はできません。ですから、技術を持つ職業探偵は、報酬の絶対的下限があるわけであり、それを無視すれば、自らの生活を形成維持する事はできないのです。)

上記の考察から「ある業者に別れさせ工作を依頼しましたが、何もして無い様子です。工作をしているか調査は出来ますか?」という問題は、工作をしているかどうか以前に大きな問題があり、その問題を認識した上で、行動することが最も適切であろうと思います。

俗に、「別れさせ屋」は探偵にセグメントされることがありますが、善良な調査の団体では、「別れさせ行為等の工作は禁止」しています。つまり、探偵は、別れさせ屋と同様に見られる事を非常に嫌い、同業とは見てはおりません。

また、同業だから簡単な聞き込みで教えてくれるのでは?という安易な発想をお持ちの方もおられますが、探偵業やそれに近いような職種は守秘義務があります。任意のものである場合がほとんどですが、例えば、一般企業で考えれば、コンピュータープログラムを作る業界に属しているから、A社の開発状況をB社に確認するように依頼するのと何ら変わりはなく、他社に自社の調査内容を安易に教えるはずはありません。前述のとおり、純粋で善良な職業探偵は、別れさせ屋と同様に見られる事を嫌い、同業とは思っていません。たとえ、世間的に同業とセグメントされると仮定しても、上記の理由のように同業だからといって、自他の区分は明確にあるのです。

彼ら(別れさせ屋)に関する問題は、各種調査団体によく寄せられる問題でもありますが、最も適切な方法は、即座に契約を解除し、不当かつ不法な報酬に関して返還請求ができるかどうかを弁護士さんに相談することが最も適切な解決方法です。

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T.I.U.総合探偵社